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ニューノーマルの食料資源・サボテンの普及活動
名城大学農学部 植物機能科学研究室 大久保 開登さん
名城大学農学部附属農場の地元、春日井市は、サボテン実生栽培で日本一の生産量を誇り、「サボテン」を地域活性化の資源の一つとして位置付けています。私たちは、地域資源であるサボテンの普及に努めるとともに、世界的な気候温暖化や人口増加の問題が危惧されるなかで、ニューノーマルとなる食品を目指しています。また、持続可能な社会を形成する上で経済的持続は欠かせません。少しでも多くの人に食べてもらえるように、サボテンを使った新しい商品「エスニックサボーレ(サボテン入りピタパンサンド)」を考案し販売するまでに至りました。さらに最近では、地域の企業と共同で製作した「サボテン入りタルタルソース」の販売展開を検討しています。
持続可能な農業の実現に向けて~キュウリの有機栽培~
岐阜県立恵那農業高等学校 永谷 真波さん 森井 麗娘さん
本校ではキュウリの有機栽培に10年以上取り組んでいます。私たちは持続可能な社会・農業の実現に向けて有機農業を軸に、“生産者と消費者”2つの視点から活動をしています。消費者には、収穫体験イベントや販売を通して持続可能な農業への理解を促進したり、生産者には有機農業の普及を目指し、より高収量な栽培技術について研究しています。今年度は新たな取り組みとして、地域の農家さんと市と連携し、“オーガニックマルシェin恵那”の開催に向けて取組みました。地元の農業高校として、地域農業を盛り上げるためにマルシェのロゴやチラシの作成、広報、当日の運営に携わりました。
化石燃料を使わないハウス栽培
広島大学大学院 統合生命科学研究科 藤川 愉吉 氏
広島大学(代表 藤川愉吉)、九州大学、名古屋産業科学研究所は世界最速の二酸化炭素分離ナノ膜を使用し、新鮮な大気のCO₂を集めて植物に供給することで光合成を向上させる技術 ARCS™(Air CO₂ Separator)を開発中です。大気に含まれる希薄なCO₂を私たちの体に悪影響を及ぼさない安全な範囲で自動的に濃縮し、作物に持続的に供給することを目指しています。農業分野では、作物の生産性を向上させるために、灯油やガスの燃焼ガスによるCO2施用が行われています。ARCS™技術は、化石燃料を使わずに二酸化炭素を供給できるため、化石燃料の使用量および地球温暖化を抑制することに貢献します。
知的財産を活用したアグリビジネスについて
日本弁理士会東海会 知的財産支援委員会 副委員長 加藤 祐介 氏
弁理士は、知的財産の専門家です。知的財産とは、例えば、特許・商標・種苗法(育成者権)などです。昨今では、他人の模倣・不正により、農林水産物のせっかくのノウハウやブランドの価値が不当に下げられている事例が多く見られ、アグリビジネスの経営戦略に知的財産が欠かせない状況となってきています。本プレゼンでは、アグリビジネス関係者に、アグリビジネスの事業活動の中で知的財産を適切に活用していただくための知見を提供致します。
ゼライクル(ゼラチン×リサイクル)のご紹介
中日本カプセル株式会社 開発部 須原 渉 氏
弊社は、岐阜県大垣市にある健康食品の受託製造メーカーです。ソフトカプセルの製造時に発生するゼラチン残渣(ゼラチンネット)を産業廃棄物として処分するのではなく、肥料、糊料として再活用するプロジェクトをゼラチン×リサイクル=ゼライクルとして推進しております。ゼライクルの立上げ経緯や、これまでの活動実績、これからの事業展開などをご紹介させて頂きます。
スマート農機を活用した中山間カンキツ産地モデルの実現について
三重南紀地区カンキツ産地スマート農業実証コンソーシアム
三重県紀州地域農業改良普及センター 後藤 雅之 氏
令和4年度採択スマート農業実証プロジェクト(スマート農業産地形成実証)で中山間地のカンキツ産地で生産者数が大きく減少することが予想されるなかで、面積を維持していくためにスマート農機の活用とシェアリングの効果の実証しに取り組んでいます。実証を行っているスマート農業技術の紹介を中心に発表します。
和菓子への利用を想定した短鎖アミロペクチン米「やわ恋もち」の特性評価
あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター 分析加工技術室 長谷川 摂 氏
米は和菓子に欠くことのできない原材料の一つです。米に水を加えて加熱することで、米に含まれるでんぷんの結晶構造が崩れて糊化し、弾力のある食感を生み出します。しかしながら、時間の経過とともに老化と呼ばれるでんぷんの再結晶かが進み、硬くてもろい食感になっていきます。菓子の製造時に添加される糖類はでんぷんの老化を抑制し、できたての食感を維持するのに役立っています。一方、短鎖アミロペクチン米の糯品種「やわ恋もち」は、従来の品種と比べて柔らかさが持続することが特徴です。やわ恋もちを菓子の原材料として使うことで、できたての食感がより長く維持できると期待されることから、やわ恋もちを使った求肥を試作し、物性の変化を評価しました。
三重県産ササクレヒトヨタケの保存試験および成分評価
三重県工業研究所 苔庵 泰志 氏
三重県では、ササクレヒトヨタケ三重県菌株の特産化を目指して、栽培技術を確立し、小規模栽培農家への普及を進めている。今後本きのこの量産・流通を進めていくために、収穫後の保存条件および保存中の成分の経時変化について評価・検討を進めている。今回はその取組内容等について発表する。